2022.2.28

2022年「The 4th Block/ウクライナ」について

踏み躙られた怒り、悲しみ、失望。
祈る事しか、出来ない強烈な挫折。
いつも、弱き人達のそばにいます。
Trampled anger, sadness, disappointment.
A strong setback that can only be prayed.
May you always be on the side of the weak.

私はこれまで誤解を避けるため、自分の思想信条などをSNSなどで公開することを避けてきました。政治や宗教などの問題について、私自身が勉強不足であることもあり、敢えて避けてきました。しかし、今回のウクライナの件だけは我慢ができず、ここに公開することにしました。

毎朝毎晩、ウクライナから悲しいニュースが続いています。他方で、(一見)平和で安全そうな日本にいて、日々流れてくる彼らの悲痛な訴えを見ても、何もアクションを起こさず、ただ指を咥えてオロオロしている自分に、情けなさと後ろめたさを感じています。それもあって、私が行なってきたグラフィックポスターやアートワークなどの活動すら、「机上の綺麗事」に思え始め、これまでの信念が揺らいでいます。若い頃によく模写していたピカソのゲルニカや、影響を受けた内戦下の時代のポーランドのポスターのことを、今もう一度思い出して、その意味をおさらいしています。同時に、グラフィックデザイナーの仕事やアートの表現とは何の意味があるのか、このままで良いのかと、自問自答している毎日です。

くしくも、核・反戦・人権・生命・環境をテーマにした私のポスター作品の一連が、つい最近までウクライナのポスター美術館「The 4th BLOCK」で取り上げられ、展示されていました。ここに掲載されている写真は、2018年に行われたポスタービエンナーレでの風景の一部です。この頃のウクライナの人達も皆穏やかな顔で、自由な空気を満喫していました。

近年、ウクライナの人達はこういったデリケートな問題に正面から取り組み、世界に訴えて来ました。この際、私達の作品(写真家奥脇氏との共作です)などは、どうなっても良いのですが、ウクライナの罪の無い一般市民の生命だけは、何としても助かって欲しい。理由がなんであれ、他国への侵略と武力攻撃は許されるものではない。連絡が途絶えた今、祈ることしかできない自分の無力感に、押し潰されそうです。私達の作品も、何の力にもなれずに、ウクライナで泣いている。ただただ、これ以上の犠牲者が出ないことを祈るばかりです。

リトウリンダ